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最終更新 (2ヶ月前)

URL監視はどの方法が最適?環境に応じたURL監視手法の判断基準

お客様の環境に適したURL監視方法を検討するための判断基準について解説します。SaaS?OSS?どれを使えばいいのかわからない方はこの記事で最適な方法を知ることができます。

目次

はじめに

URL監視を始めるために調べていくと、様々な監視ツールが存在していることに気づくと思います。それぞれにメリットデメリットがあり、違いがよくわからずどの監視ツールが最適かの判断に困ることがあると思います。この記事では、それぞれの監視ツールがあなたの環境に適しているかどうかを判断するための解説をしていきます。

URL監視とは

URL監視とは、Webサイトやインターネットを通じたサービスを提供するアプリケーションが正常にアクセスできる状態であるかどうかを定期的にチェックし、サービスがダウンした際には管理者へリアルタイムで通知するような監視体制のことです。URL監視を設定しておくことで、サービスの異常を即時検知し対策を行うことができるため、ビジネス機会損失を最小限に抑えることができます。

監視の種類

監視方法の種類としてはおおよそ以下のように分かれます。

  • SaaSを利用する方法
  • OSSのURL監視ツールをセルフホスティングする方法
  • IaaSで提供されている監視サービスを利用する方法

SaaSとはService as Serviceの略称で、監視ツールの機能のみを提供するものを指します。SaaSの良い点は、お客様自身でサーバーを管理せずとも素早く監視設定を行える点にあります。対照的に、OSSの管理ツールを使用する場合はツールを動作させるためのサーバーをお客様自身が管理運用する必要があります。単純に立てるだけでも、ツールの動作環境構築やネットワーク設定など、様々な知識と手間がかかります。また、サーバーを運用するということはセキュリティーアップデートの適用など、運用開始後にも手間をかけて運用する必要があります。その点、SaaSを利用するとそういった手間がかからず、時間の節約になります。

OSSのURL監視ツールとは、例えば有名どころではZabbixなどがあります。Zabbixの場合は、お客様が管理するサーバーにインストールする形で利用します。サーバーを用意する必要がある点や、サーバー内の環境構築を行う必要がある点がデメリットではありますが、監視URL数の制限等がなく、必要に応じてカスタマイズが出来るなど、柔軟性があるところはメリットとして挙げられます。

IaaSで提供されている監視サービスとは、AWSでいえばCloudWatch Syntheticsというサービスがあります。AWSで環境を作っている場合、請求をAWSの一つにまとめることができるため、新しいサービスと契約するためのリーガリチェックなどの社内手続きの手間も省くことができます。また、AWSの他サービスとの連携がしやすいため、AWSで完結する点はメリットとして挙げられます。ただし、1URL月額1万円程度かかるため案外割高な印象があります。予算に余裕がある場合はお勧めできます。

URL監視ツールの選定基準

URL監視ツールを選定する基準がいくつかあります。お客様の環境に適したツールを選定することで、運用管理の手間や費用を含めた運用を検討することができますので、いくつか紹介していきます。

ホスト環境について

お客様のサーバーが、どの会社からレンタルしているかということがまず基準の一つになります。もし、AWSを利用している場合はAWSが提供するURL監視ツールを利用できます。ただし、それなりの費用が発生するため、コスト見積もりを事前に行いましょう。お客様の環境が外部からHTTPアクセスできる場合は、必ずしもAWSのURL監視ツールを使用する必要はありません。他の手段を利用することで運用コストを抑えることができるため、比較検討するとより良いURL監視方法が見つかるはずです。

ネットワーク環境について

お客様のサーバーが閉じたネットワークにあるか、公開ネットワークにあるかで使える監視ツールが異なります。簡単にいえば、外からアクセスできるかどうかが判断基準となります。公開ネットワークにあり、一般のユーザーもアクセスできる環境であるか、閉じたネットワークにあるが、特定のホストからのアクセスを許可できる場合、SaaSのURL監視ツールを利用することで低い運用コストでURL監視を行うことができます。

監視対象URL数について

SaaSサービスは主に監視対象のURLの数に応じて費用が増えていきます。監視対象数が多い場合、SSOの監視ツールをセルフホストした方が総合的に考えた時にコストが低くなる場合があります。SaaSとOSSを比較検討する際は監視対象URL数も考慮しておくと良いと思います。

Saasでの監視に適している環境

一般的には、URL監視は外形監視と呼ばれ、その名の通り外部からのアクセスが正常にできるかという観点で確認を行うものです。監視対象のURLが外部に公開されており、外部からのアクセスが正常であるかをチェックするパターンがほとんどであると思われます。そういった場合にはSaaSを利用して外形監視を行うと良いかと思います。まず、運用の手間がかからないこと。URL監視システムを管理する必要がなく、URL監視を行うシステム自体の動作保証を外部の会社に委任できる点が大きいメリットとなるでしょう。また、費用もそれほど高額ではありません。お客様自身でサーバーをホストするよりは安価に運用できる場合があります。

OSS監視ツールでの監視に適している環境

OSS監視ツールでの監視に適している環境は、外部に公開されていない社内サービスなどを監視したい場合に有効です。社内ネットワークにサーバーを立て、社内ネットワーク内の他サービスを監視する体制を構築できる点はSaaSにないメリットであります。また、外部に公開するURLであっても監視対象のURLが100以上など数が多い場合にはSaaSを利用するよりセルフホストのOSS監視ツールを利用すると安価に運用できる場合があります。SaaSを利用した場合と相見積もりを行い、費用面の比較検討を行なってください。

IaaSの機能を使用するのに適している環境

AWSをシステムのインフラ基盤として利用している場合は、AWSだけで監視体制を完結させることができる点が一番のメリットになります。同様に請求をAWSにまとめることができるため、実装までのスピード感を持って構築可能です。また、EventBridgeなどの他サービスとの連携がやりやすく、Cloudwatchなどでメトリクス監視を行なっている場合は既存の通知構成を再利用できる場合があります。ただし、AWSのCloudWatch Syntheticsというサービスは割と費用が高いため、可能であればSaaSの利用も検討すると良いでしょう。

まとめ

今回は、お客様の環境でどの監視ツールを利用するとよいかの判断基準についてご紹介しました。お客様にとって有用な情報であれば幸いです。

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